3学期始業式校長より
・皆さん、おはようございます。そして明けましておめでとうございます。令和2年が生徒の皆さん、教職員そして皆さんの御家族にとって素晴らしい年になりますようにお祈りいたします。・新たな年を迎え、もう一週間余りが過ぎてしまいました。第二学期の終業式で、「年末の除夜の鐘の音(煩悩)を聞きながら、この一年間を反省し、新しい年に向けて目標をたてるよう」お願いをしましたが、それぞれ実行されたものと思います。
・今日はその目標について一つ話をします。年末にフィギアスケートのグランプリ・ファイナルがあり、皆さんの知っている羽生結弦(はにゅう ゆずる)選手が惜しくも2位という結果でした。また全日本選手権も宇野選手にも敗れ2位という結果でした。しかし、彼は、すでに次の目標を、「3月の世界選手権では、四回転半をとぶつもりです」と話をしています。おそらく彼は年末からものすごい練習に取り組んでいることと思います。
・実は彼はソチオリンピック、平昌オリンピックの2大会金メダルを取っているのですが、ある年の初戦で、試合前に他の選手と激突をして大けがをしました。会場にいる人たちは、もう試合には出場できないと思っていたのですが、試合直前の6分間の練習に姿を現しました。頭に包帯を巻き、顎にはテーピング等で覆っていましたが、血がにじんでいました。試合終了後に顎を7針、頭を3針縫っていました。もちろんほかにも打撲とかも多数ありました。コーチは「次の試合もあるのだから、今ヒーローになることはない」と棄権を進めました。しかし本人はどうしても出ると言い出場しました。その結果、五回も転倒するという悲惨な演技になりましたが、転んでも転んでも、すぐに立ち上がる羽生選手の姿に、観客は感動し、ついに滑り終えたときには、優勝したかのような拍手がわきあがりました。この試合では演技を失敗しましたが銀メダルを獲得しました。
・なぜ羽生選手は、大けがをして、そしてコーチも止め、観客も無理だと思う中出場したのでしょうか。それは、その年の試合に挑むことに「全試合出場する」という目標をかかげ、公言していたのです。選手は一般的に、そのシーズンのグランプリ・ファイナルに出場できるように、体調も整えながら、ベストコンディションで試合に挑むわけです。しかし、羽生選手は目標を成し遂げる強い信念があったのです。
・ここからは、私の想像です。羽生選手は、実力のある世界チャンピオン、そして真のチャンピオン、全試合に出て本当だったらすべてを優勝して、グランプリファイナルで優勝する。それを実行せざるおえない状況に自身を追い込み、完全優勝を自分自身にプレッシャーをかけたと思うのです。野球のイチロー選手も同じような発言があると思います。目標を立て、言うだけではない、それを実行する。有言実行です。その年は、怪我もあり、ぎりぎりの6位でファイナル進出、しかし、そのファイナルでは見事優勝しました。
・我々には、なかなかできることではありません。言うだけで目標を立ててもなかなか実行できない人は多いです。自分もそうです。しかし、高い目標でなくても、目標を持つことは大切です。少しでも努力することが大切です。目標について、今少し考えてみてください。どうですか、心の中に刻んでありますか。
・三学期の始業式にあたり、皆さんが目標に向かて、一日一日、そして一歩一歩を大切にする一年であることを心から願っています。